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2014年01月 の伝言板を読む
2013年11月 の伝言板を読む
「時代のサカイ目」第百四十八回(13.12.24) 『時代のサカイ目~音楽プロデューサー酒井政利~』 第百四十八回「紅白の目玉は歌以外?」 NHK紅白歌合戦の曲目を見ると、どうも本来の歌の祭典からブレが出ているのでは ないかと思えるフシがある。高齢者と若者の耳と目を惹こうとするその心理はわからない でもない。制作側が歌わせたい歌と、出場者が歌いたい歌に温度差があり、その調整に 手間取ったとも聞くが、今年も新曲あり、過去のヒット曲、代表曲ありで、選曲の基準が 曖昧なラインアップになっている。 今年限りで紅白を引退すると宣言した北島三郎は、一年を締めくくる番組にふさわしい 威勢のいい代表曲「まつり」。地方の高齢者から大きな支持を受ける楽曲である。今年は 役者としてもドラマ「確証」「ドクターX~外科医・大門未知子~」などで好演し、団塊 の世代だけでなく、若い人たちからも圧倒的な支持のある泉谷しげる。初出場の彼もやはり 代表曲をアレンジした「春夏秋冬2014」を歌う。長く歌い継がれてきた楽曲には、 聴く者の心を揺らす何かがある。石川さゆりも同じく「津軽海峡・冬景色」。 今年発売した新曲の披露もいいが、おしなべてCDセールスが伸び悩む時代に、あえて 誰もが耳なじみのある選曲の方が、年の瀬にふさわしいと言える。一年を締めくくる音楽 番組として、紅白に“今年の顔”が勢ぞろいしていたのは昔のこと。茶の間になじんでいる 歌が並んだからこそ、家族でこたつに入って紅白を見ながらミカンでも食べ、歌にまつわる 思い出を振り返りながら、一緒に口ずさんだ。 当時、アイドルも演歌も、より多くの国民から指示される歌手が出場していたが、CDの セールスが伸びにくい時代になり、ドングリの背比べのような昨今では、出場歌手の発表を わくわくしながら待つという人はいなくなっている。特に今年は歌よりもむしろ、応援合戦 や審査員の豪華さで視聴者に訴えているように見える。 今年のNHKドラマは、「あまちゃん」に始まり「あまちゃん」に終わったと言えるほど、 じぇじぇじぇ旋風が巻き起こった。“あまロス”なる言葉も生まれ、最終回を迎え、深い 喪失感に襲われている人たちが多く現れた。まさにNHKが家宝を生み出した。女優の 能年玲奈が紅白のPR大使に任命されたことで、今年の紅白にはGMT47や鈴鹿ひろ美 (薬師丸ひろ子)の出場を期待する向きは多く、その応援に天野春子(小泉今日子)が 駆けつけるのではないかとまで噂されてきた。 そんな「あまちゃん」のキャストが紅白で総出演する。まさに伝家の宝刀を抜いたと 言える。宝石箱を開けるようなわくわく感をまた味わえることを楽しみにしている人は多い。 また司会の綾瀬はるかが生歌も披露する。東日本大震災復興支援ソング「花は咲く」を 出場者と合唱するだけでなく、ソロパートもある。実は綾瀬、2006年に持田香織作詞、 小林武史作曲の「ピリオド」でデビュー、四枚のシングルCDを発売している歌手でもある。 審査員も「お・も・て・な・し」の滝川クリステルをはじめ、今年の顔が並ぶ。紅白を もてなすのは、本来は歌手であるべきはずなのだが、どうやら本筋以外の部分が主役に なりそうな逆転現象の様相を呈している。 夕刊フジ2013年12月25日号(24日発行)第8面(毎週火曜日連載)写真は白黒
「時代のサカイ目」第百四十七回(13.12.17) 『時代のサカイ目~音楽プロデューサー酒井政利~』 第百四十七回「TBS大ベテラン吉川美代子アナの警鐘」 「わたしはこれまでずっと『女子アナ』ではなく、『女性アナウンサー』としてプライド と自覚を持って仕事をしてきました」と著書に記したのは、TBSで三十七年間活躍してきた 吉川美代子アナウンサー。来年、定年を迎える大ベテランが、著書『アナウンサーが教える 愛される話し方』で、イマドキの女子アナたちに苦言を呈する。彼女によると、今の アナウンサーは「男性のアナウンサー」「女性アナウンサー」「ベテランアナウンサー」、 そして「女子アナ」の四つの亜種があり、女子アナは「放送界の環境汚染源」と一刀両断 である。 そのワケはこうだ。「ニュースを読む機会は多くない」「いまどきの高校生と変わらない 遊び着ファッションと甘えた声」「原稿の内容を理解しているのかは甚だ疑問」「発声、 発音やアクセント、言葉遣いは砕け散り、漢字を読めないことを売り物にすることも」。 さらに、「パパラッチに追い回され。ボーイフレンドとのデートや買い物姿を写真に 撮られる」「細い脚を誇示するような短いスカートでしゃがむ」「公道でキスをする」 …と手厳しい。 1980年代のお笑いブームで、女子アナがバラエティー番組に出演、お笑いタレントに いじられ人気者になったのがきっかけで、女子アナのタレント化が一気に進んだ。フジテレビ の女子アナたちが“ひょうきんアナ”ともてはやされ、それに対抗するように日テレの 女子アナ三人がDORAというグループを組んで歌手デビューしたこともある。ちなみに DORAの命名者は美川憲一。 各局とも明文化されているわけではないが、採用にはアイドル並みの容姿を求められる 傾向がある。そのため、今や大学のミスコンは、女子アナへの登竜門と言われる。局アナに なると、彼女たちのレールは番組で知り合ったスポーツ選手や著名人との結婚まで続く。 そこで終わりではない。寿退社でフリーになり、他局のバラエティー番組などの司会やCM、 時にはミセス・タレントとして雑誌のインタビューを受けたりもする。ある意味、彼女たちは 軽チャー時代の申し子である。 逆に言えば、吉川アナのような本物のアナウンサーは、時代の犠牲になっていると言える。 何百分の一と言われる局アナの採用試験を突破できず、元局アナが多く所属する事務所に籍を 置き、女子アナタレントとして活動する人もいる。いつかはニュースの読めるアナウンサーに なろうと頑張ってみても、いつまでも経っても本物の女性アナウンサーにはなれない。女子アナも 時代に削られているのだ。技量より個性が重視される女子アナタレントと、技量と実力が 求めれる女性アナウンサーでは、雲泥の違いがあるのだ。 最近、出産を経験したママさんアナが情報系番組で重用される傾向がある。日テレの看板 女性アナとして期待されている鈴木奈々アナも、近く番組改編でニュース番組を担当する。 子どもを持つことで、社会を見る視野が広くなり、その生活感がニュースに説得力を持たせる からだという。年齢ではなく、女子アナタレントたちには、学園祭ノリが抜け切れないところ がある。狭き門を突破して局アナになった彼女たちに、吉川アナの言葉はどう響くのか。 夕刊フジ2013年12月18日号(17日発行)第6面(毎週火曜日連載)
「時代のサカイ目」第百四十六回(13.12.10) 『時代のサカイ目~音楽プロデューサー酒井政利~』 第百四十六回「“流行語”に今年の顔がどれだけ映ったか バラエティーに異変、お笑いパワーも…」 師走の声を聞き、新語・流行語大賞の時期が来た。今年は史上初めて四語が同時受賞。 「今でしょ!」「じぇじぇじぇ」「倍返し」「お・も・て・な・し」。今さら説明する 必要がないほど、世の中を席巻した言葉である。それぞれの言葉に“顔”がある。 イタリアの日本人学校で運動会に「今でしょ!」の旗が掲げられた。受験生ならずとも、 ここぞというときには「今でしょ!」と叱咤激励、集中力を高める起爆剤にするなど、 津々浦々まで予備校講師の林修先生の顔が知れ渡った。「じぇじぇじぇ」の授賞式に 登場したのは生みの親の脚本家、宮藤官九郎と女優の能年玲奈。 あまちゃんブームで出演者はあちこちから声がかかっているが、小泉今日子は今、 登場することをヨシとしていないようで、ほとんど出て来ない。以前から彼女は 「いっときのブームに乗りたくない」と言い続けていたが、それがまさに、今、なのだろう。 倍返しのドラマ「半沢直樹」では、半沢たちの“妻”の姿は多少見えたものの、“おんな・ こども”やその展開は少なかった。唯一、壇蜜をうまく使って骨太なストーリーを崩さずに 色を添えた演出の妙味。これも46・7%という瞬間最高視聴率(関東地区、ビデオリサーチ 調べ)に大いに貢献している。 そういう意味で、存在だけでおんなを感じさせた壇蜜も、今年の顔とも言える。 ブエノスアイレスで行われた五輪招致のプレゼンテーションで、一躍世界の注目を浴びた 滝川クリステル。彼女の持つ品の良い優雅さと相まって、もてなす“和の心”が通じ、 東京に勝算と、滝川に称賛の声があがった。 皮肉なことに、その「お・も・て・な・し」を「う・ら・が・え・し」にした人が 現れたのは、残念ながら想定外。ちなみに昨年の大賞はスギちゃんの「ワイルドだろぉ」。 他にはiPS細胞、維新、LCC、終活、近いうちに…、爆弾低気圧、第3極など。 言葉の後にどれだけの顔が見えるだろうか。 例年、流行語大賞はお笑いタレントのギャグでにぎわいを見せるが、今年は唯一、 「フライングゲット」がノミネート50語に入った程度で、お笑いパワーの低下が 目立った。軽佻浮薄な社会に暮らしているからこその現象とみる。芸能界も波瀾万丈だった。 「半沢直樹」が平成ドラマ史上最高の視聴率を取ったかと思えば、「夫のカノジョ」 のように3%程度の視聴率で打ち切りになるドラマも。 レギュラー視聴者をしっかりとつかみ、安定していると思われていたバラエティー番組 にも異変が起きた。三十年以上続いてきた「笑っていいとも!」(フジテレビ)が番組内で 来春の終了を発表。「人志松本のすべらない話」は、九年前に深夜枠でスタートして以来、 最低の視聴率となった。96年以来、TBS朝の顔となっていた薬丸裕英と岡江久美子の 情報番組「はなまるマーケット」も、来年3月で終了になる。 どれも一時期を風靡し、ブームが落ち着いてからも安定した視聴率で時代を牽引してきた 長寿番組。番組から様々なヒットも生まれたが、世代交代である。いつまでも払拭し切れない 閉塞感漂う今、せめてテレビの中だけは、見えない壁を打破するチャレンジを続けてほしい ものである。 夕刊フジ2013年12月日11号(10日発行)第6面(毎週火曜日連載) (一部未校正です。すいません)
「時代のサカイ目」第百四十五回(13.12.3) 『時代のサカイ目~音楽プロデューサー酒井政利~』 第百四十五回「紅白 賑やかと華やかをはき違えてはいけない」 年末の風物詩、NHK紅白歌合戦も“賑やかし”が目立ってきている。日本中が 楽しみにしていた頃の紅白は、娯楽の中に人それぞれの思いが交錯する感動があった。 今年の紅白のように、お子さま組と大人組に分かれた感があると、感動が薄らぐのは 否めない。アイドルグループを取り揃えた“お子さま組”では紅組がAKB48、 SKE48、NMB48、きゃりーぱみゅぱみゅ、ももいろクローバーZ、 E-girls。白組からもSexyZoneに関ジャニ∞、嵐、TOKIO、 SMAP、三代目J Soul Brothers。 この出演者決定にマツコ・デラックスが情報番組で疑義を唱えた。“歌は世につれ 世は歌につれ”ではないが、一年の締めくくりを迎える紅白は、その年を象徴する 歌手や楽曲が登場する場であってほしいという思いもあるのだろう。マツコにとって “紅白=しみ入る感動”であり、「最近の紅白は若いミュージシャンたちのお祭りの ようで、歌謡祭や音楽番組のスペシャル版と変わらない」といった内容で憤慨していた。 むしろ、テレビ東京の「年忘れにっぽんの歌」の方がマツコのイメージする紅白に近い、と。 確かに、紅白歌合戦はよくある音楽番組とは趣旨が違う。見る側の意識も違う。 学園祭でも人気を呼んだ八代亜紀や由紀さおりが出ない紅白は、どこか重厚さに欠けて もったいない。大みそかのこの時間帯、田舎ではこたつに入ってシニア世代が一年を 振り返りながら見ている家庭も多い。そんな視聴者に向けてアイドルを対戦させるには、 かなりの演出が必要になる。 昨年はAKB48とSKE48が研究生たちを登場させ、男性陣のNYCもバック ダンサーとしてジャニーズJr.たちを引き連れてのステージとなり、合計約500人 というアイドルたちが彩った。華やかと賑やかは違う。数の論理に振り回されない 華やかな演出を期待したい。 “大人組”としては高橋真梨子、泉谷しげる、美輪明宏、徳永英明、そして坂本冬美を 始めとする演歌勢。加えて福田こうへいが選ばれた。福田は民謡歌手を父に持ち、 呉服店の営業マンから脱サラして昨年十月に「南部蝉しぐれ」でメジャーデビュー。 オリコンの演歌チャートで一位を獲得。低迷する演歌界を活性化する起爆剤としての 期待がかかる。 また二十代、三十代の視聴者に向けてアピールするのが、アニメ「進撃の巨人」の 主題歌を担当したLinked HorizonやDREAMS COME TRUE、 T.M.Revolution、ゴールデンボンバー、ゆず、福山雅弘ら。昨年までは 白組だったAAAが今年は紅組で出場するのもおもしろい。 今年のNHKといえば「あまちゃん」抜きに語れない。朝の連ドラがこれほどまでに 沸いたのは、戦後の「君の名は」以来である。能年玲奈が紅白PR大使を務めている こともあり、劇中で人気になったアイドルグループGMT47が対決とは関係なく、 応援コーナーだどで登場するだろう。何よりも今年の超目玉、天野春子(小泉今日子)と 鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)を日本中が待っている。いっそ、宮藤官九郎に紅白の演出を 依頼するのも面白いのだが。 夕刊フジ2013年12月4日号(3日発行)第6面(毎週火曜日連載)
なんだかシンシア関連のCDや本が出なかったのでさびしかったですね。 それと、こちらにはあまり関係はないですが、坂口良子さんが、 癌で亡くなられた事です。 シンシアも、皆さんも、お身体には気をつけて下さいね。
2013年年末限定のトップページのロゴありがとうございます。 保存のために貼り付けます。
『蘇る!昭和の歌謡曲』 テレビ朝日 2013年12月18日(水)19:00~21:48 ■内容 昭和に売れた大ヒット曲、101をカテゴリー別に分けVTRで紹介していきます。 「涙の新人賞」では、新人賞を受賞し涙する歌手の初々しいシーンとともに… 「伝説のドラマ映画」では、昭和を彩った伝説のドラマや映画の名シーンとともに… 貴重な秘蔵映像も交えながら、時代が愛した数々の名曲が甦ります。 特別ゲストには今だから明かせる当時のエピソード、名曲秘話、歌謡界のスーパー スターたちとの知られざる裏話が聞けるかも!? 出演者 ■MC 高橋英樹、高橋真麻 ■特別ゲスト ―昭和の歌謡曲 売上ベスト101に入っている方々― 中村雅俊、未唯mie、海援隊、ジュディ・オング ■パネラーゲスト 奈美悦子、東貴博、森久美子 ■スタジオ歌唱 千昌夫、中村雅俊、海援隊、細川たかし、加藤登紀子、 欧陽菲菲、今陽子、あおい輝彦 、ジュディ・オング 他 http://www.tv-asahi.co.jp/showakayou/
複数回にわたり申し訳ありません。